2月8日付けブログに、アメリカの「3つのS」を記したが、しみじみそう感じさせる季節になっています。
スクリーンでは1月24日に今年のアカデミー賞のノミネート作品が出そろい、2月26日にどの作品が受賞するかが話題となっています。近年のハリウッド映画はCGを使ったハイテック特撮の流れにあるが、流れに逆らい時代錯誤にも、白黒サイレント映画「The
artist」が抜きん出て本命視されているとは、何とも皮肉な話しです。私もさっそく見たく思っています。
スポーツでは野球(MLB)のワールドシリーズが終わると、フットボール(NFL)のスーパーボールとなり、ついでバスケットボール(NBA)、そしてアイスホッケー(NHL)と、四大スポーツの四季が続き、スポーツファンを1年中忙しくさせています。「ギャラップ」世論調査による人気では、フットボールが41%、野球が10%、バスケットが9%、アイスホッケーが4%、野球が以外にも低く、サッカーはふるわず3%の5位になってます。
目下バスケットボールが佳境シーズンを迎えていて、その時に合わせたかのようにしてニュースターが産まれ大きな話題になっています。バスケットボール界では、アジア系にはいいプレーヤーがいないというのが定説になっていて、全く期待もされずドラフトの補欠の補欠、5番目に超安価でスカウトされた中国系アメリカ人、ジェレミー・リン(林書豪)が、2月に入ってこれまでの偏見を打ち破り予想外のヒローになってしまった。監督も負け試合にお情けで彼を起用したところ、そのチャンスに大活躍して瞬く間にスタープレーヤーに化けてしまった。週末のTVスポーツニュースは彼の特集を組み、スポーツ紙は6ページを割いての大騒ぎです。そのうえ彼はハーバード大学卒という毛並みのよさに、もしプロになれなければ牧師になっていたというから恐れ入る。そんなことで当地の中国系社会でにわかに憧れの「英雄」になってしまった。
さてそこで複雑な中国事情になります。早くも中国と台湾とで、彼はどちらの代表チームに属するか綱引きが始まりました。彼はアメリカ生まれのアメリカ育ちですが、原籍地は中国の浙江省、その後に祖先が台湾へ移り住んだ経緯からどちらに属するか意見が割れています。そこに韓国までが4分の1は韓国の血が流れていると横やり参戦(もっとも大韓民国は孔子や孫文も西施まで韓国の血と言うのだから夜郎○○)。
台湾のバスケットボール界は、彼を学生時代に「台湾の光」として、一昨年、昨年とスカウトしていたといますし、昨年は総統とも面会しているようですので、心情的には台湾に近いのかと思うが、市場の規模からするとMBLは中国へ傾くと思います。これも一つの選択だが、彼はまだどこの代表になるか決めてないという。
上海出身の姚明が引退したTV視聴率の落ち込みを、奇しくも彼が埋めることになり視聴率が回復傾向にあるという(ちなみに姚明のIQは132でMBAでトップだったとの事で、ここでも彼が継いだことになります)。
かくしてここから私の推測になりますが、彼は中国と台湾のいずれも選ばずアメリカ代表を選択するかと思う。なぜなら彼はアメリカ生まれのアメリカ育ちでアメリカンだからです。アメリカとはそういう国であり、彼はすでに中国か台湾かという古い尺度を超えている事と思うからです。彼の今後の活躍を祈りたい。
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