かつてアメリカの印象を、スポーツ、スクリーン、セックス、「3つのS」と称していました。最近はその影が薄くなっていますが、それでも時おりアメリカのスーパー・パワーを見せつけられることがあります。
5日にアメリカン・フットボールの全米決勝戦、第46回スーパーボールが行われ、我が地元ニューヨーク・ジャイアンツが、ニューイングランド・ペトリオットを、21−17で下して王者に輝きました。試合は最後の1秒までもつれる大接戦の好ゲームだったので、双方のファンは手に汗を握って終盤まで燃えに燃えた。
なんでもこの試合の全米テレビ視聴率者数が、史上最多を記録し1億1130万人、総人口の3分の1強が観戦したというのですから凄いことです。家庭数にすればほぼ全家庭が観戦したことになります。テレビのスポンサーCM料が、30秒で3億50万ドルというのですから、こちらも凄いことです。
なにせ試合が始まると街に人影もなく、お店も休業して静まりかえってしまう。それに今回のハーフタイムのイベントが、セクシー歌姫のマドンナでしたので視聴率に拍車がかかったようです。このハーフタイムに、全米でみな一斉にトイレに用足しに立つものですから、アメリカの貯水池の水位が一番下がる時といいます。
アメリカンフットボールは実にアメリカ的で、この国でしか維持できないプロ・スポーツかと思う。選手それぞれの役割分担が明確で、その仕事しか要求されていません。鍛え抜かれた体と体を激突させながらボールをゴールにタッチダウンさせる、実に荒っぽく男らしいスポーツなので、アメリカの男は試合を見ながら、己に潜む野性の男を甦らせています。女はその野性にセクシーを感じるようです。
ハーフタイムの全米車業界のCMで、スクリーンでアメリカの男を演じる名優であり監督でもある、クリントンイーストウッドが出演して、「アメリカは今ハーフタイムだ。これから逆転するぞ」とメッセージし、そのようにNYジャイアンツが逆転劇を演じています。
今回も、スポーツ、スクリーン、セクシーの三拍子そろったアメリカン・パワーに圧倒されてしまった。
この国は混迷を続けていますがけして侮れない由縁です。後半戦には日本と一緒に粘り強く立ち上がってくることと思う。
今日はニューヨークで凱旋パレードがあり、弊社の男は熱病のため会社を欠勤して出かけて行くようです。
野性の叫び
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