日本の人は台湾を見る時、ついつい上の目線から見てしまいますが、そろそろ台湾に学ぶ時にきているかと思います。
台湾は実にいい国になりました(強いて国と書きます)。台湾は九州ほどの面積に、人口2300万人という島国ですが、コンピューターIT産業関連の開発と生産では世界一、アジア一高い101ビルもけして偶然のことでなく、彼らの民度の高さの象徴でもあります。
彼らは海洋民族として持ち前の楽観と積極さゆえに、日本から良いところを貪欲に学び、悪いところを反面教師にして、良質なメンタリティーを形成しています。現状の日本の低落をみますと、今や日本が台湾を守ってやるではなく、台湾が日本を守ってやるという情況です。少なくても互助にまで成長しています。
民主政治も二大政党が成長し、1月に行われた民選による大統領選挙でも見事に民主社会のバランスをとっています。多くの人は台湾が中国に飲み込まれることを心配していますが、立場を逆にしてみれば、成長した民主による政治に、独裁中国が怖れおののいているのが現状です。
国境なき記者団が発表した「世界報道自由度ランキング」によると、中国は世界179カ国のうち174位ですが、台湾は香港の54位より上位の45位で(日本は政府の震災隠蔽報道のため前年度の11位から22位へ後退)になっています。ランキングはその国の自由度と国力を計るひとつの基準でして、国が安定し力があれば情報統制など必要ないわけです。
さりとて、台湾の人は国や政党に頼ることもなく、あてにもせず、自助努力の自立精神を堅持しています。日本や韓国のように大企業の基にそれぞれの細胞組織が存在するのでなく、それぞれが自立した細胞組織が集合体として企業が成り立っています。これは似ているようで大きな違いがあります。かりに日本や韓国のように、親亀がこけたら子亀もみなこけたとならずに、台湾は親亀がこけても子亀それそれが細胞として生き残り、商機があればまたどこかで集合します。ですから今の様な変化の激しい環境でも柔軟に対応できるわけです。不況になっても細胞組織が生き残れるわけです。それに多くの人が本業のほかに副業をもっていますので、もし本業がこけたとしてもバックアップがありますので完全失業せずに自立できるわけです。
このしなやかで強靭な精神は、これからの社会に一番必要になってきます。私が日本は謙虚に台湾から学べという主張は、この精神を指しています。
さて1月も終り、明日から2月、節分そして立春となります。2月は台湾海峡の向こう岸、アモイから台湾を眺めてきたく思っています。
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