またして私の大好物「臭豆腐」(チョウトウフ)のお話し。
中国の都市計画で共通しているのは、街の中心部にある商店街の大通りが歩行街(歩行者天国)になっていること。いつも人の並で賑わい、観光客はそこに行けばいいのだから助かっている。歩行街はなかなかいいものです。
天津にも大きな歩行街があり、その脇道に「遼寧路小吃街」という、両側に屋台が並んだ食べ物横丁がある。その通りの屋台の多くが臭豆腐を売っているのだからたまらない。さっそく路地に入ると、屋台の看板に「油炸臭豆腐」「麻辣臭豆腐」「台湾正宗臭豆腐」「香味臭豆腐」等、次々に並んでいるので、本当にここは歩行者天国。
しかし、路地に入ってうまそうな臭豆腐を物色していても、全くもって臭いがない。臭いを抑えているはわかっていても、鼻を近ずけてもほとんど臭わない。これではあまりにひどい、なんたる事か。改めて店の看板を見ると「油炸臭豆腐」「麻辣豆腐」「台湾正宗臭豆腐」「香味臭豆腐」と、すべて「臭」の上にテープが貼られて伏せ字となっているではないか。観光当局から「臭豆腐」の販売が禁止されたのだろう。そして律儀な天津人は「臭」の上にテープを貼ったわけだ。このテープはもう剥がされることはないだろう。天津にはもう「臭豆腐」は無いということになる。臭
私は臭豆腐のあの堪らない臭さの底に、中国文化の底力を嗅いできたので、これはかっての憎むべき文化大革命に匹敵するほどの出来事だった。中国庶民文化の弱体化で、何としても残念。まぁいい、別に食べなくても死ぬわけでもない、これで臭くない臭豆腐から、さよならしよう。私は金輪際、臭くない臭豆腐を食べないことに決めた。
さよなら臭豆腐。1月に台湾で臭豆腐を食べてくることにする。
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