「はじけぬバブルはない」これが私の当たり前すぎる定説。
日本のバブルは1985年のプラザ合意の円高を契機にして始まりました。投機狂乱、土地狂乱の宴に酔いしれた果て、1991年にバブルが崩壊、その衝撃から日本経済は失われた20年となり、いまだ二日酔い的な低迷が続いています。
アメリカも過去20年にわたり、本来は実体経済の補助的な機能を果たしていた金融機関が、急激にバブル化して実体経済を動かすまでに膨れ上がる構造変化が起こりました。本末転倒のバブル現象です。そして3年前のリーマン・ショックがバブル崩壊の引き金となり、瞬く間に世界経済をのみ込みました。世界経済はそのショックから立ち直れないまま今日まで続いています。
私たちは過去30年の間に、2つの大きなバブルの崩壊を目撃したことになります。そして、次は中国の不動産バブルの崩壊がつぶやかれています(要注意)。
そんなことで前々から私の脳内に、ウォールストリートのガキ(餓鬼)どもが、シャボン玉を弄ぶように巨大な恐竜バブルを造り上げて、それが地球に隕石が衝突することで、一瞬のうちに消滅するイメージがありました。童謡にある、「シャボン玉飛んだ 屋根まで飛んだ 屋根まで飛んで 壊れて消えた」です。
先日、本サイトを通して岡本直哲さんと知り合いになり、上に掲載したPOPアート作品を拝見させてもらいました。(私の勝手な解釈を許してもらえば)彼の一枚の作品に私が長きにわたり表現できずに漠然と持ち続けてきたイメージが映し出されていました。まさに私がイメージしていたものはこの絵の如くでした。アーチストは一枚の絵で表現してしまうのですから、実に羨ましい限りです。なにかの賞を獲られた作品といいますから、あるいはどこかでこの傑作を拝見しているのかも知れない。
彼は「家でちょっと横になっている時、ふとした瞬間に閃いた」と言ってます。彼の年齢からして日本のバブルが崩壊の時は10歳頃になります。その後2003年からニューヨークで7年半滞在したといいますから、ウォールストリートの金融バブルの真っ只中に5年、バブルがはじけた後の2年半くらい居たことになります。彼はバブルの空気を感性で受け止めていたわけで、いったいどの辺りでこの作品が閃いたのだろうか。アーチストの感性は興味深いものです。