奥の細道

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 ニューヨーク冬時間と日本との時差は14時間、3月11日午後2時46分に東北巨大地震が発生した時刻は、11日の午前0時46分。
 前の晩8時半頃に、ロンドンに住む娘から(当地は夜1時半)「眠れないけど、どうしてだろう」という電話があった。夜中に電話をくれたことなどないのに、どうしたのかと嫌な胸騒ぎがした。
 その晩なにを思ったか、本棚から立松和平著の「奥の細道」を取り出して11時にベッドに入り、「深川」「千住」「草加」まで読み進めた所で、本をベッドの脇に置いて寝入った。
 朝の3時半(ロンドン時間の朝8時半)に、また娘から「東北がすごい地震だけど、大丈夫なの」という電話で起こされた。眠気まなこに「昨日は草加まで行ったけど、大丈夫だったよ」と、寝ぼけた受け答えして受話器を置き、また寝ようとしたが、眠れずにネットを捜索すると、大地震よる大津波の怒濤が「奥の細道」を襲いかかっている衝撃的なニュースだった。
 全く偶然で私は草加に留まり難を逃れましたが、この先いつになったら白河の関を越え、塩釜の明神を詣で、船を浮かべて松島に遊び、仙台の友にも会いたい。この道はいつ開けるだろうか。


「前途三千里の思いひ胸にふさがりて幻のちまたに離別の泪をそそぐ。

   行く春や 鳥啼き魚の 目は涙

 これを矢立の初めとして行く道なほ進まず(奥の細道)」
 本は閉じたままベッドの脇においてある。    合掌

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このページは、三休が2011年3月24日 05:36に書いた記事です。

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