夏休みにブータン王国に行く計画で、サイトで旅の情報を検索してみた。
ブータン王国は、世界で唯一大乗(チベット)仏教を国教とする国で、人口約69万人の小国。最近では映画「リトル・ブッダ」のロケ地になりました。
小国ではあるが、世界に向けて国民総生産(GDP)にかわる、国民総幸福量(GNH)という概念を提唱し、さまざまな環境福祉政策、伝統文化の保持に努めている。
親日の国でもあり昭和天皇の大喪の礼に参列の際、国王が民族衣装の礼服姿で数人のお供を連れて来日し、他の国の首脳の多くが日本から経済的な協力を得るために、葬儀の前後に日本の首脳と会談する弔問外交を行うなかで、ブータン国王はこうした弔問外交を行わず、大喪の礼に出席して帰国した。新聞記者の質問に、国王は「日本国天皇への弔意を示しに来たのであって、日本に金を無心しに来たのではありません」と答え、その年1ヶ月間も喪に服したという。
そうしたブータンの国名に、中国語は「不丹(budan)」という、なんとも失礼な漢字を当てているが、国連にクレームして「仏丹(budan)」と改称すべきである。
中国とは北部国境で接しているため国境策定にあたって対立があり、1998年に合意に至ったが、2006年にブータン領域内に中国が道路建設を行い、国境線が大幅に変更されて九州よりやや小さい国となっている。中国軍および民間人の越境行為が行われたことから、ブータン政府が抗議を行い協定の順守を求め折衝しているが、なにせ兵力1万人の小国なのでどうなることか。
ブータンは国土の70%が森林に覆われてたヒマラヤ山脈の秘境であり、地球温暖化のため毎年0.1度ずつ気温が上昇しており、このままでは20数年後にはヒマラヤ氷河の融解が心配されています。もし、溶けた氷河があふれ出すようなことにでもなれば、南北の標高差が7000メートルもあるから、怒濤の土石流が森林をなぎ倒し、国家壊滅の危険性が憂慮されています。
ブータンの信仰や芸術や文学は、山や森林そのものから生まれたものであり、氷河の融解による森林破壊は、ブータン国民の魂の崩壊を意味します。
この桃源郷のシャングリラ王国を、環境破壊と中国の越境から見守って行かねばならない。