飛天の塚 

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IMG_4429.jpg 本サイトで月一回のペースで書いてきました「第5部、天風師の面影」を、12月をもって終了することにしました。
 その報告を込めて12月初旬に、中村家と杉山彦一先生の「飛天の塚」に、お墓参りしてきました。
 中村家のお墓には、天風会初代中村天風会長、2代目安武貞雄会長、3代目野崎郁子会長が納骨されています。4代目杉山彦一会長は、巣鴨霊園の共同墓地「飛天の塚」となっています。4代目で会長名義が無くなりましたので、杉山彦一が最後会長となりました。
 また、毎年行われてきた墓前供養も天風会百周年をもって取り止めになりました。
 1985年に私が天風会に参加した時は、杉山会長のもとでまだ天風師の温もりがあり、できるだけその面影を残そうとサイトに書き続けてきました。
 しかし、今年30年ぶりに鎌倉修練会に春秋と2度参加させてもらい、また東京の講演会に参加しました。そこで感じたことは天風師すでに書籍の中の人となりつつあり、さらに杉山先生の名講義を知る会員さえ少なくなっていました。
 時の流れを思えば当たり前のことなのですが、私にとりこれは衝撃でした。
 明治も昭和も遠くなり、もう「天風師の面影」を書き続けることもなくなったようですので、2022年12月で終了とさせてもらうことにしました。これまでありがとうございました。
       冬至の日、ミュンヘンの旅から。

41855Teay2L.jpg 田坂広志著「死は存在しない」―最先端量子科学が示す新たな仮説―、実に面白い本でした。できたら皆さんにお薦めです。
 東京の本屋にたくさん並んだ書籍のうち、スイス旅行の途上で読もうと思い3冊の本を購入したなかの1冊でしたが、出発前に一気読みしてしまった。
 購入後に群馬に帰省しますと、友人が用意してくれていた本がなんとこの本でした。世に言うシンクロ、以心伝心でしたが、実はこの本はその偶然が導入テーマになっていました。
 内容に入りますと、量子科学でいう「ゼロ・ポイント・フィールド仮説」(量子真空)で、全てを論説していました。ただ仮説ですから前提が崩れれば全てが揺らいでしまいます。
 天風師は「やがて21世紀が来たら、思想的にも、アイデアの方面にも、必ずや世界をリードするだけの権威ができると、私は確信している」、「私が三寸息絶えて、何百年の後に、世界中がみな宇宙霊との一体の実行者に、必ずなると確信を持っている」と、遺言を残していますが、量子科学の「ゼロ・ポイント・フィールド」は、それを裏付けています。
 「ゼロ・ポイント・フィールド」を「宇宙霊」に置き換え、「波動」を「気体」にすれば、そのまんま天風哲理になります。ただ、天風哲理は死後の霊魂は宇宙に還元し不滅としていますが、本著書は死後まで言及していまして、宗教哲学に接近し量子論からの逸脱が伺えます。
 筆者は「終話」として、21世紀は科学と宗教は一つになり、科学的知性と宗教的叡智が融合した新たな文明を提起しています。これはすでに天風哲学が100年前から実践してきたことではありますが、傾聴に値します。
 やはりスイスの旅に携帯して再読と考えています。

弗為胡成

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12:1.jpg  本著書は1961年に天風会に入会された服部嘉夫先生の米寿を祝い、会員有志により2021年に出版されました。非売品のため千葉賛助会の吉田勝昭様からいただきました。
 著書には服部先生の写真はもちろんですが、天風師の遺筆をはじめ、歴代の会長の遺影、現役会員の写真等が豊富に掲載されていました。
 天風会に入門されてから60年間、ひとすじに心身統一法を実践されてこられたことに敬服いたしました。また、これは戦後の天風会の歴史そのもので貴重な資料にもなっています。
 私が1986年の日曜行集会に初参加した時、亡き天風師の温もりが残るなか、杉山彦一会長のもとで服部先生は講師をされていました。
 服部先生が指導する「呼吸操練」「統一体操」は、力強く、気がこもり、とても素晴らしくもので、今でも目に焼き付いています。
 私は平成時代から「一人天風」を実践していまして、天風行修会をまるまる無沙汰してしまい、服部先生のご活躍を知らずにいました。32年ぶりに鎌倉の行修会、東京の講演会に参加させてもらい、服部先生が天風会の大御所になっておられたことを拝見し誠に嬉しいかぎりでした。
 「弗為胡成」、なさずんば、なんぞならん。明るく、朗らかに、統一道を実践し、誠に天晴れな人生を見させてもらいました。    
                    天風師本命日に記す

追記;服部先生は2022年12月29日に逝去。
   お悔やみ申し上げます。

得一日過一日

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TP39.jpg 「得一日過一日」(一日を得て、一日を過ごす)は、昭和28年に天風師が書かれたお軸です。
 天風会京都支部に昭和27年3月に入会された古参会員の伊達静様が、家宝として所蔵していたもので、私が2003年11月に伊達家を表敬訪問した折、京風のお屋敷に掛けられていたお軸でした。
 「もしよろしければお持ちなされ」と言われ、果たして頂いていいものかと躊躇しながらも、ご好意に甘んじて持ち帰り、自宅の寝室に掛けて毎朝黙読していました。(伊達静さんは天風先生より長生きしてしまい申し訳ないと言われていましたが102歳で天寿をまっとうしました)。
IMG_4152.jpg 先日のこと、1985年に知人の紹介でニューヨークを訪問した方が、ホテルのロビーで初対面の私に「天風誦句集」をくださいました。その誦句集は、その後の私の人生に大きな影響を与えました。
 その恩人から「今年に入って10時間にもおよぶ心臓の大手術をし、死線をさまよい名医に命を引き上げてもらった」と連絡を受けました。目下リハビリ中で、元気を取り戻しつつあり、医師から車の運転も許可されたとありました。すごい生命力です。
 翌朝、私が打坐していた時にふと閃きがあり、このお軸は私よりこの方にこそ相応しいと思い至り、さっそく恩返しの思いを込めてお贈りしました。
 70年の時を経て、伊達様から私に、そして、いま時を得て恩人に渡りました。あたかも天風師が生きているかのようです。
 先方から「一日千秋のおもいでお待ちしております」、「届きました。開けました。見とれました。床の間に掛けました。感激です。正にこの掛け軸と一心同体の毎日です。心から感謝いたします」と、連絡を受けました。

力の結晶

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9:28.jpg 先ずは心の準備運動として「力の結晶」を復読し、鎌倉秋の「誦句と瞑想」行修会に参加してきました。
 今回も主催者スタップと参加者の真摯な姿勢に心を動かされました。この姿を参観できるだけでも行修会に来た意義がありました。
 ただ、私は毎度の「真理瞑想」講義の時、慣れぬマスクをつけたままの安定打坐のためか、深呼吸ができずすぐさま寝入ってしまったことを反省しています。一つ心に残ったのは「現象の中には必ず実在ある」でした。
IMG_4092-thumb-autox240-1975.jpg 幸いにもに雲一つない秋晴れに恵まれ、希望者のみで2日目の早朝、富士山を眺めながら江ノ島のパワースポット巡りをしてくださいました。
 天風師も来られただろう島の最奥部にある岩屋まで行き、古くは弘法大師や日蓮上人も修行したといわれる江の島信仰発祥の地を崇められました。この2件だけで満たされた行修会でした。
 それに春期行修の閉会式に帰宅列車を急ぐため途中で失礼した「力と 勇気と 信念だ!」の三唱を、今回はきちんと補填してきました。
 2023年の春も参加したく思っています。
(写真は岩屋の近くから富士山を仰ぐ)

自覚から信念へ

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IMG_3879.jpg 鎌倉春期行修会と対になっている秋の「誦句と瞑想」行修会に参加することにしました。
 春期は「天風誦句集」黒色の小冊から「力の誦句」、「思考作用の誦句」、「運命の誦句」、「信念の誦句」を、真理瞑想の題材にしていました。
 秋期は「自覚から信念へ」とさらに一歩踏み込みまして、杉山元会長が大学院コースとも言われた「真理行修誦句集」緑色の小冊の「瞑想篇」から、「自己本来の内省の悟」、「正しき活き方の自覚」、「幸福への誦句」、「安心立命への誦句」を、真理瞑想のテーマにして構成されています。
 「瞑想篇」は、私の好きな誦句集ですので、これは外すわけに行きませんので参加してきます。それに春期行修の閉会式に帰宅列車を急ぐため途中で失礼させてもらい肝心な締め「力と 勇気と 信念だ!」の三唱をやらずに帰宅しまった無念が残っていました。今回はその補填もあります。
 いざ、鎌倉へ!

真理瞑想、付録

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 6月のサイトに杉山元会長の真理瞑想を、第6部「創造的人生」として掲載しました。8月は真理瞑想の付録として書き留めてあったフレーズや落ちを記載しました。
 これで私が書き起こした杉山瞑想録テープの全部となります;

「我が生命は大宇宙の生命と繋がっている」
「活きて 活きて 活きて ひたむきに活きて 生き抜く」
「吉野山 ころんでもまた 花のなか」
「時は命なり」
「大宇宙は結合と建設、分解と還元を繰り返し、繰り返し、そして絶対の生を貫く」
「私は宇宙霊と一体である」
「同行二人」
「自分自身に対する言葉、他人に対する言葉、宇宙霊に対する言葉、すベてに積極一貫」
「口害を振りまくな」
「30、40鼻たれ小僧、50、60花ならつぼみ、70、80働き盛り、90を過ぎて迎えが来たら、100まで待てと追い返せ」
「楠千年ふたたび今日の若葉かな」
「天風会は宗教ではないが、宗教的な焼きつくような信念を教えています」
「修行は信念を創るため」
「天風会は本体論から入ります。そのまま本人が強いのだとの断定から入りますから、スカットしていて極めて爽快で天風先生的ですね。現象界から入りますと、現象界がどうにもならないから、神仏を設定してそれに頼ることになりますから、どうしても他力本願となってしまいますね」
「何かあるのが人生だ、何もなくないよ、嵐のあるのも人生です。天風会は新興宗教でないから、拝めば荒らしが避けてゆくなど決して言わない」
「10円投げ入れて、無病息災、商売繁盛、家内安全を祈願したら、1願3円30戦ではないか、そんな虫のいい話はないよ。それを受け入れたら神仏は受託収賄になってしまう。こんな神仏を冒涜した話もないね」
「大自然から与えられたものはネイチャーであり、それをいかに引き出して創造するかがカルチャーであります。このネイチャーとカルチャーを、一体化したところに心身統一法が堂々として展開される」
「できます やります 頑張ります」vs「いやです だめです 出来ません」
「飲みたい、食いたいは動物心、理性心の行き詰まり、その理性をうまく統御するのが霊性心」
「超常現象のテレパシー、透視、念力、予知能力は誰にでもある。それには出来るという信念、心の積極化、安定打坐の開発訓練が必要である」「たとえ骨が砂利石の如く砕けても、肉がなますの如く飛び散っても、けして弱音を吐くまいぞ。常に心というものは菊水の御旗を潮風になびかせる如くに常に颯爽たれ!」
「お金をかけなければ幸福になれない人は、いつまでもお幸せになれない。幸福とは感じるものである」
「箱根山 籠に乗る人 かつぐ人 してまた草鞋をつくる人」
「晴れてよし 曇りてよし 富士の山」
「悟れたと思った時が迷いなり」

吾等の誓

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IMG_3313.jpg 天風誦句集の冒頭に「誓詞」という「誓いの言葉」があります。
 これは今アメリカ野球で大活躍しています大谷翔平選手が、愛読していたという「運命を拓く」の誦句集では、惜しい事になぜか割愛されていますが、天風会員が先ず行修のはじめに唱える大切な誦句となっています;
 「誓いの言葉」
 今日一日 
 怒らず 怖れず 悲しまず、
 正直 深切 愉快に、
 力と 勇気と 信念を持って
 自己の人生に対する責務を果たし
 恒に平和と愛とを失わざる
 立派な人間として生きることを、
 厳かに誓います。
 
 非売品の本著書は、天風会第四代目杉山彦一会長が、たった8行だけの誦句に2段擦りで183ページを割いて、一行一言ずつ解釈したものです。「志るべ」誌に、3年間15回に連載したもので、それほど大切な誦句ではありますが、これには驚きました。
 でも、私は天風師のお叱りを覚悟で、最後の三行に修正を加えました;
 常に誠と愛と調和に満たされた
 立派な真人として生きることを、
 自分自身の厳かに誓いとする。

補足:
 「吾等の誓」を拝読し、思うことがあり私の一番好きな杉山元会長の真理瞑想「創造的人生」を、本サイト第6部として追加掲載することにしました。これで私が書き出した杉山講演の全部となります。是非ご参考してください。

IMG_3208.jpg 5月、「鎌倉春期修練会」と「東京新緑の一日行修会」参加してきました。
 行修会の締めの言葉と動作「力と勇気と信念だ! ソ〜レ 力と勇気と信念だ!ソ〜レ 力と勇気と信念だ!」を、長らく忘れてしていました。さっそくアメリカに持ち帰り再実行を始めました。これはこの度の大きな収穫でして。
 修練会終了後の余韻のなか、清々しさ、爽快さ、宇宙に浮いたような無重力の感覚はなんなのだろう。宇宙霊に魂が抱かれるとはこのことなのだろうか。
 当初30年ぶりの修練会でしたので、自己流の行修と天風会の基本とのズレを調整したく参加しましたが、統一式体操に若干の修正があつただけでした。考えてみれば日々繰り返していることなので、たいしてズレることもなかったようです。ですのでこれまで通りの自己流を続けて行くことにしました。
 しかし、今回「鎌倉春季修練会」と「東京新緑一日行集会」に参加してみて、天風教義の面で以前とは大きく変わった事がありました。かつて杉山元会長の教義の時に、まだその時でないという配慮からか「宇宙霊」という語彙を、極めて慎重に控えめ使用していました。
 ところがこの度、講師陣が教義されたなかには「宇宙霊」「宇宙霊と一体」という語彙が、かくも頻繁に出てきました。これは私にとり「進化と向上」という嬉しい響鳴となりました。
 天風師は「二十一世紀が来たら、思想的にもアイデアの方面にも、必ずや世界をリードするだけの権威ができると確信している」と言われましたが、今がその時なのだと確信した次第です。

  「私は宇宙霊と一体となって甦り
   新しい元気を持って、積極一貫
   喜びと 感謝と 笑いに満たさ
   れて進み行かん」

空の声を聴く

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IMG_2995.jpg 5月3日から5日の「鎌倉春期修練会」に参加することは、すでに書きましたが、15日の「新緑の一日行修会」(空の声聴く、1日まるごと安定打坐)、東京の会にも参加することにしました。
 この日は札幌から会場へ直行して11時からの飛び入りとなります。午後からの講演題目が「安定打坐と自己の確立」、「安定打坐で今を活きる」と実習と安定打坐に特化した行修会になるので参加することにしました。東京の会もコロナ以後はじめての行修会になるという。
 これまた30年ぶりの参加とでして、5月はすっかり天風となります。いずれも私のような参加者は「出戻り組」と言われるようですが、出戻りでも帰る家があるのは幸せなことです。
 別件ですが、天風会の名誉顧問であられた尾身幸次氏が、先日4月14日に永眠されたと発表された(享年89歳)。
 また一人、天風のお弟子さんが還霊された。鎌倉春期修練会の冒頭で、クンバハカ黙祷ができました。
 ご冥福を祈ります。 合掌

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