「水道をゆく」

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IMG_8901.jpeg 私は司馬遼太郎史観で日本史を学んだので、日本に何か出来事があるとついつい司馬さんならこれをどう観るかという問いかけが習性になっています。
 先日も百田尚樹著「日本国紀」を読むにつけ、なぜか無性に司馬さんがこいしくなってしまった。そして今回も御世代わりを司馬さんならどう観ただろうかと想い巡らしました。
 私の記憶でたしか2つほどかつての皇太子、皇太子妃にふれたエッセイがあると探してみたが見つからず、友人に頼み3日がかりで見つけ出してくれました。 
 司馬さんが草莽の士として若き日のお二人をやさしく見守る眼差しをそのまま書き出してみました;

 『無題(皇太子さまと小和田雅子さん)』
 皇太子さまには2度お目にかかりましたが、素晴らしい青年で、私の周りにもあんなに礼節と知性をそなえた人は見当たりません。雅子さんはすてきなお婿さんを選ばれたと思います。四、五年前にことをゴシップ風な記事として読みましたとき、この人が未来の皇太子妃になってくださればわれわれ草莽の者はうれしいんだけどな、と思いました。せっかくお仕事がおもしろくなったときに、それをお辞めになるのはお気の毒ですが、しかし皇太子妃になられれば日本国がもっとおもしろい角度から見えてきて、知的にも十分ご充足なさると思います。 (産経新聞朝刊、平成5年1月)」

 『お手洗い』
 いまの陛下(上皇天皇)が皇太子時代のことです。
 三浦朱門さんが文化長官で、「何か話をしろ」といわれて、赤坂の東宮御所に行きました。皇太子ご夫妻とお話をしているとき、浩宮さんは入り口近くに控えておられました。
 一時間ほど経って、私は手洗いが近い者ですから、浩宮さんに、
 「お手洗いはどこでしょうか」
と、おたずねしたところ、浩宮さんは廊下の奥のやや歩きごたえのあるところまで、案内してくださった記憶があります。
 普通の家庭でもお客に対するこういう作法は、若い人には疎いんじゃないでしょうか。
 三浦さんが後で、「あの人は将来皇太子になる人で、おまえ、失礼だよ」と、笑わずにいったのが、おかしかったですね。  (アサヒグラフ、平成5年1月)」

71cQoaPrY1L.jpeg 令和のはじめはご祝儀読書で、徳仁親王述「水運史から世界の水へ」(平成31年4月NHK出版刊)でした。
 「水の恵み、水と地球、水と私たち」は、新天皇陛下ご即位の記念出版になりました。アマゾンではやくもベストセラーになっていまして直ぐに取り寄せましたが初版本を逃しました。書評は控えますが、陛下の全地球的な視野、目線のやさしさ、バランスのとれた格調高い天晴れな著書でした。
 天皇陛下は登山を好み、これまで170余の山に登られたことは知っていましたが、水に関してここまで学術的に深く研鑽されておられたことを初めて知りました;
 「八ケ岳は私の好きな山の一つで、最高峰の赤岳をはじめとして、今まで3回ほど登っています。実際に登ってみるとよくわかりますが急峻な地形です。登山の際に湧水『乙女の水』を口にしましたが、大変冷たくておいしい水でした。」
 「乙女の水を口にするお姿」、なんとも詩的で現代の神話を読んでいるかのようでした。
 水を分かち合うことの大切さ、江戸時代から使われてきた山梨県にある「三分一湧水」の分水池に、農民が置いた「水分石」施設を紹介しています。そして今日でも日量約8500トンという豊富な湧き水を、地域に三分の一ずつ分けて、豊かな農業を支えていると説明しています。
 「川から眺める景色は、陸上からのそれとはまた違った広がりを持つ良いものです。日本でも人々が水に親しみ、水上交通が改めて見直されることを願うとともに、日本に限らず世界の川や湖がその美しさを今後も保っていかれることを願っています」。
 またここに「令和」を考案した中西進の「万葉集全訳注原文」から、大伴家持の雨乞の長歌を引用し「万葉の時代、渇水に苦しむ人々は、空に浮かぶ白雲を仰いで雨乞したのでしょう」と偲んでおります。
 締めくくりは前田普羅の俳句;「立山の かぶさる町や 水を打つ」を紹介し、「立山が覆いかぶさるようにそびえる富山の町で、人々が夏の暑さをやわらげるために通りに水を打ち涼をとっている」日本の原風景で結んでいました。
 いずれもが令和の観光名所になることでしょう。

tumblr_pr0jnq2n8l1qb12quo1_500.jpeg 新天皇皇后両陛下の一般参賀に14万人が参加し、長い列が皇居から東京駅まで続きました。けして権力や人から強制されたのでなく真心からの祝意でした。
 目には見えなくとも、そこには新天皇皇后両平陛下と国民との魂が一つに溶け合うシンフォニーが美しく実在し「象徴」とはこのことかと想い起されました。
 陛下と国民の真心によって今上天皇が創られて行きます。雅子様のこれからの体調を心配されていますが、国民の念波がそれを癒して行くことでしょう。雅子様はまさに雅(みやび)の子です。それに21世紀の大切な課題である家族愛の再生は愛子様に象徴されてきます。
 これは別件ですが、名は体を表すようで、左翼陣営が席巻する沖縄で孤軍奮闘しています我那覇真子(かなはまさこ)さんは、平成元年生まれ30歳「我は那覇の真の子」となっています。令和でも彼女の健闘を讃えたい。

tumblr_pqk5icfV9u1w1yutso2_1280.jpeg 平成時代に団塊の世代が憲法改正をせぬままやり過ごし、令和の初めての憲法記念日です。
 日本が本来の日本を取り戻すために、どうしても避けて通れない「占領憲法」が、令和になった今も頑として立ちはだかり、日本文化が直面する最大の政治課題になっています。
 現憲法のままでは日本はますます弱体化して行きます。御世代わりに若い世代が見せたあのハシャギぶりは、集団無意識に自分ら日本のアイデンティティとはなんなのか、世界の中で日本はどういう存在なのか、自分自身を発見しようとする動きに見えてきました。それを見るにつけ我々団塊の世代が無責任にも回答を保留した申し訳なさを感じます。
 国家の基本法である憲法は、何よりも自国の歴史と伝統文化を基盤としなければならないのですが、占領憲法は日本民族の歴史的精神や伝統をズタズタに切り裂いたものでした。ですから現憲法の「前文」から見直さなければならないのです。「前文」は国家理念、国民史的な理由を盛り込むべきなのです。日本国民にとって国土における歴史は、神話的起源を含めれば少なくても三千年の歴史が、祖先代々から我々と我々の子孫に受け継がれています。現憲法は「日本国民は、恒久の平和を念願し」、「諸国民の公正と信義を信頼する」、自由と民主主義と人権の法の支配を謳いますが、それが日本国民にどうかかわるのか全く答えていません。なぜ「日本国民は、恒久な平和を念願」するのか、敗戦によるからなのか、それとも国民史の根深い要求に根ざしたものなのか、現憲法に対しての疑問は尽きません、この切実な問いかけは切れば赤い血が流れるような日本国民史の命をかけた問いかけなのです。
 令和において憲法の「前文」を改正し、若い世代と子孫に向けて日本国家はどういう国であるべきか、どういう国家になりたいのか、という理念を謳わねばならない秋(とき)になっています。

春はあけぼの

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 「令和」元年。お祝い気分で令和時代に入りました。
  より善い時代にして行きましょう。

 見上げれば れいわの空に こいのぼり (三休)

 楠千年 ふたたび今日の 若葉かな   (杉山彦一)
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竹に節あり

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1_99d134f9bb38db652e7e1255a4802c5bea526561_583x585.jpeg         門松や おもへば一夜 三十年 (芭蕉)

 平成30年が今日で節を締めます。有り難うございました。 
「竹には強く堅い節のあることから、松と同じく風雪にも屈しない強い意志が、人間になくてはならないもので、お互い協調と融和の大切さを教えています(天風)」


IMG_8924.jpeg      初桜 折しも今日は よき日かな (芭蕉)
 "Happy Easter"イースターに合せたわけでないと思うが、今朝は裏庭で5羽の野ウサギが走りまわっていた。そして会社の庭には八重桜が満開でした。
 会社をここに移転したのを記念して桜の樹を3本植えました。庭師に染井吉野と指定しなかったので、気がついてたら八重桜でした。春になるとアメリカにもこんなに桜の木があったのか思うほど桜が多い。でもどちらかと言うと色あざやかに派手に咲く八重桜が好まれるようです。染井吉野の後に八重桜とマグノリアが競い合って咲き誇り、そして、ハナミズキが慎み深く咲いて初夏を迎える。白いハナミズキが百年続きますように「令和」を待ち望んでいるかのようです。
IMG_8897.jpeg 今年はもっぱら日本から送られてきたネット桜で花見をしてしまい、当地で花見する余裕がなく過ぎました。それでも好みのスポットから公園の桜と会社の八重桜だけ撮り、アメリカからの桜便りにしました。

81yDgMAFo6L.jpeg 近藤大介著「習近平と米中衝突」ー中華帝国2021年の野望ーを読了。
 著書は2017年1月のトランフ新大統領就任から2018年10月のワシントンのハダソン研究所で行われたペンス副大統領の米中新冷戦の幕開け講演までを、第1ランドとして時系列に整理した内容です。この間の米中緊張関係の流れが理解できる貴重な資料です。そしてこれから第2、第3ランドの覇権争奪戦が展開され、米中関係は緊迫したものになり局地的な軍事衝突になる可能性まで予測しています。
 ここに私の2つの対中分析と同じことが書かれていました。御用学者が2017年6月に出版した「再造中国」で;「習近平新時代の大国外交により中華文明は人類をリードする文明になる。人類の文明の中心は中国→アラビア→ヨーロッパ→アメリカ→中国へと変転してゆく。21世紀には、人類文明の中心が、再び中国に回帰するのだ」。これって岸根卓郎論からのパクリで、習近平はこうした文明論に舞い上がり「中国の夢」の野望となる。
 次に近藤氏が中国の経済学者に聞いた話として;「中国は後10年、いや5年でもよいから、鄧小平の遺訓『目立たず実力を蓄える=能ある鷹は爪を隠す』を堅持すべきだった」。
 私は7年早かったと分析していました。2013年でなく2020年まで黙っておとなしく実力を蓄えれば「中国の夢」も現実味を帯びました。
 後世の歴史家は、この時点で習近平は2つの誤りを侵したとすることでしょう。
 先ず、自らを独裁政権にするために「中国の夢」を、7年早く出しすぎたこと。
 次にアメリカの分析を見くびり、アメリカはすでに衰退をはじめ、中国が不可逆的に世界の覇者になると思い上り「中国製造2025年」の爪を出してしまったことです。
 私はこの2つから、習近平はあまり頭がよくないこと、それに外交音痴と分析していました。
 願わくは後世の歴史家に、私の分析が正しかったことを検証してもらいたい。

q4YBAFveTjaAUY_gAAPabE1E3S8696_b.jpeg 量子論から抜け出てやっと一息したらまた引き戻されてしまった。これも引き寄せの法則がなせる技か。
 岸根卓郎氏はかつて中国に8ヶ月ほど滞在し南京経済大学名誉教授の肩書きもあり、著書「東洋の時代の到来」( 文明論、文明興衰の法則)が、中国でベストセラーになりました。習近平の「中国の夢」の政策ブレーン(王滬寧)らに、何かミスリードしたのではと気になっていました。そんなヨイショ本が、私をしてまた量子論に引き戻しました。
 「21世紀は量子論の時代」
 「量子暗号を制する者が宇宙を制す」
 さて、量子論からみた中国ですが、量子論には素粒子の電子は心を持たない物質とみて研究する「量子力学」と、素粒子の電子は心を持った物質として研究する「コぺンハーゲン解釈(量子論唯我論)」の二つの分野があります。
 中国はひたすら「量子力学」を追随し、岸根氏は「量子論唯我論」の立場から宇宙の先験的な愛に論及しています。
 宗教を邪教と否定する中国は、はなから得体の知れない宇宙愛や心など黙殺して量子力学の分野に邁進しています。なにせ「愛」は中国語の略字で「心」を取り去り「心なき愛」で、終生独身男性にAI花嫁ロボットを開発するくらいです。
 そして中国は2016年に量子コンピューターの開発をはじめ、世界初の量子通信衛星を打ち上げ大陸間量子暗号通信の開発に突き進み、後5年か10年で宇宙空間を支配できるとしています。そのために2024年に独自の宇宙ステーションを打ち上げ、そこに量子暗号通信機能を搭載します。
 1億人の餓死者などものともせぬ一党独裁の遺伝子をもつ中国共産党が、宇宙を支配し人類を支配する神など恐れぬ野望です。心(神)なき覇権国家の「鬼に量子棒」の正夢、考えるだけで空恐ろしいことです。
 しかし量子論には相補性があり覇権だけで心を黙殺した開発は、必ずやしっぺ返しをくらい蹉跌を迎えることだろう。

補記;生前のホーキングが再三にわたり地球外生物に地球の位置を知られ人類に災いを及ぼすとして、貴州省にある世界最大の500メートル口径の電波望遠鏡「天眼(宇宙の眼)」で、宇宙人と接触しないように警告をしてましが無視されていた。

thumbnail.jpeg マキャベリの「君主論」に「隣国を援助する国は滅びる」という名言あるが、これは日本への警鐘です。
 日本は長い平和にどっふり漬かり(これ自体はいい事でもあるが)、いつの間にか隣国から差し迫る大きな脅威に対し、反中だけのダチョウの平和化してしまっている。
 この著者「中国製造2025の衝撃」は、文字通り中国からの衝撃を受ける警鐘の内容になっている。これでも平和呆けから目覚めなければ日本はやがて中国のチベット化してしまう。日本は迫り来る国難に丸腰のまま相撲でもとる気なのか。
 第一人者の中国研究家である遠藤誉女史の新刊を必ず読むようにしているが、この著書ほど中国共産党の脅威と実力を冷徹に見つめ、決して侮るなかれと警鐘を鳴らした著書はない。中国は2049年の共産党建国100年までの国家目標を定め、国策として習近平以前の2008年からの「千人計画」で世界中から超優秀な華人を膨大な金でハンターして開発し、それを背景にした世界制覇「中国の夢」2025年になっている。しかし、これは習近平だけの夢でなく6年先の中国の夢です。
 著者は「あとがき」で、中国はすでに「一帯一路」だけでなく、空でつながる「一帯一路一空一天(宇宙)」まで、陸、海、空、天と宇宙制覇の野望を視野に入れている。すでに世界に先駆けて量子衛星打ち上げ、量子暗号通信と量子コンピューターの開発に成功している。もし、2025年までこのまま彼らの独走を許せば、野望は夢でなく現実になり、隣国の夢は日本の悪夢と化す。 
 すでに彼らの「中国の夢」が手に届くギリギリのところで中国の挑戦にトランプ政権と国会は、そうはさせぬと毅然と立ちはだかりました。
 さてダチョウの平和の日本はどうするのか。 

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